深緑より」舞台裏日記 vol.4

ミュージカルサークルEM秋祭公演『深緑より』特設サイト、アートブログをご覧いただきありがとうございます!
終演から約一週間、観に来てくださったお客様の心に『深緑より』が少しでも残ってくれていたら幸いです。アートブログ最終回では劇中のM(歌、ダンス)紹介と脚本家、演出による終演挨拶をお届けします!

▼ 目次(クリックすると開きます)

M1「竹馬の友」(サク、ロクヒコ、アカネ)

いつでも一緒にいたから
なんでもできた 全てがきらめいていた
僕が飛ぶのは 君が見ててくれるからで
約束しよう 会える日まで
必ず帰る

M2「sing sing sing」(多喜三、エリ、きゃん)

(多喜三) 一九四七年、闇市が東京租界と化し、持つもの持たざる者を生む一方、僕らは生きる権利を求めた!万国の労働者たちよ、団結せよ!
(エリ) まったく、アメリカさんに聞かれたらどうするんだか。
(きゃん) 僕、思想とか、よくわからないんですけど
(エリ) いいのよ、あの人も言ってることの半分も分かってない。
(多喜三) 結局思想は何でもいいさ
仕事と自由手にして喜ぶだけさ
(エリ) そうね お調子者なくらいがいいわ
(きゃん) 僕には2人が一緒にいるのが不思議で
(エリ) 私 たちは混沌の時代を生きるの。この人くらい明るくいかなきゃ、やってらんないわ!
(きゃん) いいご夫婦ですね
(エリ) よくできた妻なのよ。
(きゃん) ええ
(多喜三/エリ) さあどう生きるか/新しい時代
(エリ/多喜三) 君はどういきるか/わからないなら
(エリ/きゃん) ずるずる生きてもつまらないさ/一度の人生
(多喜三/きゃんエリ) 愉快な人生君次第さ/わからないなら
(多喜三、エリ、きゃん)
自分の幸せ探そう
何度も生まれ変わろうよ
時代は僕らを呼んでる
僕らは君をよんでいる…さあ!!!

M3「祈り」(全員)

(緑)
たとえ君が 僕を 忘れてもいいと
想っている 君の横で 聴こえていたあの風
(アカネ・ロクヒコ)
霧の中 抱くは 愛しき人
(全員)
どこへ行(ゆ)く すべてを 知るあと
(美しい人)
共に 生きると誓う彼の人よ なぜ
(サク)
今は 夢見る 霧の中にいさせて
(全員)
崩れゆく
祈りますほどすれ違う 音 色帯びる

M4「蘇州夜曲」(美しい人)

君がみ胸に 抱かれて聞くは
夢の舟歌 鳥の歌
水の蘇州の 花散る春を
惜しむか柳が すすり泣く
花を浮かべて 流れる水の
明日の行くへは 知らねども
今宵映した ふたりの姿
消えてくれるな いつまでも

~終演挨拶~

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ミュージカルサークルEM秋祭公演「深緑より」にお越しいただいた皆さま、ご観劇いただき誠にありがとうございました。おかげさまで、無事に全ステージを乗り切ることができました。 

この物語は、戦後という時代や、思想というテーマ、絵を描くことなど、私がいつか舞台でやってみたいと思っていた題材を沢山盛り込んだ、挑戦的な作品でした。そして、なによりも描きたかったのはサクという青年の内面性です。時代や周囲に翻弄され、傷を負い、絵の世界へと逃げ込むサク。しかし逃避という行為には必ず、自責の念という自らが作り出した影が付いて回ります。罪から逃げることも向き合うこともできない人間の弱さに、突きさされつつも共感して貰えたら、と思います。そして、彼の精神の旅を支えた周りのキャラクターたち全員を愛しく思って頂けましたら幸いです。

最後になりましたが、公演を行うに当たりまして脚本や稽古、スタッフワークなど様々な面でご協力頂きました皆様、本当にありがとうございました。

脚本 有賀実知

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ミュージカルサークルEM秋祭公演「深緑より」にご来場いただきありがとうございました。多くの皆様にこの作品を届けることができたこと、心より御礼申し上げます。

「深緑より」いかがだったでしょうか?
逃避、葛藤、自責、そして戦争という普段の生活においては、自らの心とすこし離れた所に位置しているテーマを取り扱いました。当初は自信を持っていた私も稽古を経ていくうちに、この作品がどう皆様に映るのか不安で仕方がありませんでした。しかし演者、スタッフ一同で試行錯誤し、その不安を最小限に抑えこの作品は出来上がりました。その結果、良い状態で作品を皆様に届けることができたのではと勝手ながら自負しております。

舞台は一期一会です。全く同じ公演は、二度と訪れません。今、この時にこの作品をお届けすることができたこと嬉しく思っております。

最後に、この作品の様々な面でサポートしていただいた皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

演出 石川万奈恵