【14秋祭公演】演出から最後のご挨拶

お久しぶりです、こんにちは。
公演が終わって気が抜けて、どうも風邪をひいてしまいました。今回脚本・演出を担当させてもらいました、辻真由子です。

おかげさまでミュージカルサークルEM秋祭公演『うたかたものがたり』、全3ステージを無事に終えることができました。会場まで足を運んでくださった方々、そして今回観にはこれなかったけれども応援してくださっていた方々、本当にありがとうございました。

これまでのEMではあまりない感じのお話だったと思いますが、いかがだったでしょうか?

このお話を書くきっかけになったのは、飛行機の機内誌で目にした一文でした。

「旅行の非日常さとはだれかの日常の延長線上にある」

なるほど。
確かに北海道の牧場だって、ニューヨークのセントラルパークだって、東南アジアの国の日曜市だって、私にとっては非日常でも、同時に誰かの日常の一部でもあるわけですよね。

余談ですが、ディズニーランドだってそうです。
アメリカでは、ディズニーで働いている人たちにとっては夢と魔法の王国が日常すぎるため、スタッフ用の地下通路では息抜きのためわざわざ洋楽ポップスの有線をかけてる、なんて話もあります。

じゃあほんとのほんとに誰の日常でもない世界へ行くってなったらどうなるんだろう…ってところから出来上がったのがシュンヤが迷いこんでしまった世界でした。

もちろん誰しも日常に文句の一つや二つはあると思います。シュンヤの言ってることなんてほとんど私含め実在する人物が言っていたことがモデルになってますし。(笑)

でもそんな日常の中には、離れて客観的に見てから初めて気づくことってありませんか?
わかりやすい例でいうとやはり実家関係でしょうか。。私自身地方出身なのですが、大学に入学して一人暮らしを始めてから、毎日作ってくれていたお弁当やきれいに洗濯された体操服のありがたみに気づくことができました。
さらに世界のニュースに目を向けてみればなおさら自分が恵まれているのか気づかざるを得ないものです。

シュンヤだけではなく、ほかにも生き方が違う、いろいろな色の日常が出ていましたね。

天真爛漫なお父さん、そんなお父さんに振り回される妹の弥香ちゃん、いつもみんなのために最善を尽くそうとするお母さん。

テンパりまくりの下山くん、ぶりっ子の友実ちゃん、謎の板前野郎の二階堂。

リア充を夢見る亮太郎、夫とラブラブなちょい天然絵梨ちゃん、そしてシュンヤとは正反対の頑張り屋さん航生。

とらえどころのないミステリアスな遠野。

自分の夢に一歩でも近づくため努力を続ける佳南さん。

いやぁ今回もだいぶ濃ゆいメンツでかなり楽しませてもらいました(笑)

毎日毎日繰り返すことが大半を占める、日常ってなんなんだろう。
そんなことを思いながら過ごした非日常であるはずの稽古期間は終わり、私も日常に戻ってまりました。
どのセクションに対してもあんなにうるさい注文ばかり演出としてつけていたのに、今となっては(べったベタではあるけれど)、感謝の言葉だけですね。

座組のみんな、ありがとう。

そして!
次回のEMの公演は12月。今の一年生が初めて自分たちで作り上げる公演です。
キャストはもちろんのこと、今回の世界観を作ってくれていた照明、音響、美術をはじめとしたスタッフ陣も一緒です。
2年生である私は今からどきどきわくわくですね。
そんな1年生公演、詳細はまた後日追々公開になってくるとは思います。どうぞ、お楽しみに!

辻真由子