作・演出を担当させていただきました、三品万麻紗(みしなまあさ)です。
2015年度1年生公演『金曜日の乾杯』3ステージ無事に終演しました。
ご来場してくださった皆さん、応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました!
舞台の世界に入って8ヶ月、わたしにとって、ミュージカルの作・演出をするのは生まれて初めての経験でした。
どのような人がどのように舞台作りをスタートさせていくのか、演出という立場はどのような立場で、脚本の書き始めはどう書けばいいのか。沢山のことが「無知」の状態から始まりました。
それでも、本番はやってくる!
ただただいい作品を作りたい!!想いを言葉だけではなく、空気感で伝えたい!!そのために、今まで経験してきたことを使い切って、削れるだけの命を削って、作品を作りました。
わたしが、今回の作品で大切にしたのは、「表現の隙間」です。
わたしゴトですが、強くわたしに影響を与えていることに、素敵な人たちとの出会いがあります。本気で素敵な人たちに囲まれて生きているなと体感することがたっくさんあります。その人たちと過ごしていて、素敵だなぁ、楽しいなぁ、この時間がずっと続けばいいのにっと感じる感覚の中には、色々な要素があると思っています。その時間に使われている言葉や相手とわたしの中を結んでいる目線、相手との距離感、場所に灯されている灯、耳に入ってくる声の高さや他の人たちの会話やその他の雑音、相手の仕草や言葉を出すタイミングとスピード。たくさんの要素が組み合わさって、わたしはその人たちといて、「この時間が大好き」っと思っています。
それを、できる限り、最大限、この舞台で表現したい。
確かに、舞台だから、ミュージカルだから、脚本が存在して、宣伝美術や制作、音響照明舞台美術、役者が存在していて、セリフがあって、歌詞があって、本番2ヶ月前から一つの空間を作るために練習や試行錯誤、失敗を繰り返します。作られたものが重なって、わたしが普段「自然」と感じている空気感全てを再現することは無理かもしれないと思うこともありました。ただ、お客さんに伝わるかどうかわからない本当に細かい隙間を見逃さず、丁寧に作り込んでいけば、きっとできるんじゃないか!勘違いでもいいから信じてこ!という想いを逃さないようにしていました。
そんな想いを持ち続けて2ヶ月後、本番当日を迎えました。 わたしはお客さんの中にそっと混ざり、舞台を見守っていました。
驚いたことがあるんです。
本当に少しだけですが、会場全体にいるお客さんが同じ空気を吸って、同じタイミングで笑っていたり、「えぇ!?」って驚いたり。涙をすすったり。その空気感はまるでサザエさんのお茶の間でした。
温かい作品をつくりたい、観に来てくださったみなさんが、2015年の終わりに、今まで出会った人たちのことを思い出したくなるような、その人たちに『おつかれさま!』と伝えるきっかけとなるような、そのきっかけが、また来年の素敵な時間に繋がるような時間を共有したい。
そう思っていたわたし自身が、お客さんが加わった本番3ステージで生まれた空気感を体感して、気づかされることが沢山あったんです。
まだまだ、これから、学ぶべきことがたくさんあるなっとひたすら思いました。本当に、ほんとうに、ほんっっとうに、沢山の方々に支えられ、沢山の人から学びを得る舞台でした。
ほんとうであれば、関わってくださった全ての皆さんに、観に来てくださった全ての方に直接お礼の気持ちを伝えたいのですが、このブログの言葉にて、失礼させていただきます。
また、作品をつくることになったときに、今回得た新しい想いをその作品に乗せたいと思います。
以上、作・演出を担当したまあさからのご挨拶でした。